ヘナを始めたいと思っても、踏み出せない理由として一番多く聞くのが、「移行期が不安」という言葉です。
長年アルカリカラーで染めてきた髪に、ヘナを重ねるとどうなるのか。正直に、順を追って書いておきます。
まず、ヘナにできないことを言います。
ヘナは色味の幅が狭い素材です。明るくすることはできません。白髪部分にはオレンジ系に見えやすく、その見え方は白髪量や髪質によって変わります。
アルカリカラーで自由に色を選んできた方には、この制約は大きく感じるかもしれません。ヘナは、その自由度と引き換えに、続けやすさを選ぶ素材です。
移行期に何が起きるか。
アルカリカラーからヘナに切り替えるとき、一定期間、髪の見た目が整いにくい時期があります。
理由は、アルカリカラーのブリーチ作用を受けた部分と、受けていない部分で、ヘナの色の入り方が変わるからです。ブリーチを受けた部分は明るく、受けていない部分は暗く見える。この境目が、移行期の髪に出やすくなります。
「おかしくなった」のではありません。移行期には、こういうことが起きる。それを知っているかどうかで、乗り越え方が変わります。
対処の考え方
境目が気になる場合、インディゴでトーンダウンして色調を整える方法があります。明るく見える部分をインディゴで落ち着かせることで、全体のバランスを整えやすくなります。
ただし、この判断は難しい。根元だけリタッチするか、毛先まで染めるか。インディゴをどう使うか。これは髪の状態を直接見ながら判断する必要があります。
移行期は、できればサロンで一度見てもらうことをすすめています。取扱店であれば、その方の髪の状態に合わせた判断ができます。
ヘナの色が落ち着くまでの話
ヘナを塗った直後、根元付近が明るく見えることがあります。これはヘナに限らず、ヘアカラーでも根元は色が入りにくい部分です。ただヘナは、その誤差の幅が大きく出やすい。
「うまく染まらなかった」と感じて不安になる方もいますが、これは色素の酸化が進んでいる過程です。48時間ほどで色が落ち着いてきます。
塗った翌日に判断せず、2日待つ。これが、ヘナを始めた方に最初にお伝えしていることです。
最初の3回を、短期間でやる理由
ヘナを始めるとき、Graciasでは最初の3回を短い間隔で行うことをすすめています。1週間ごとが理想で、最長でも2週間以内を目安にしています。
なぜか。
ヘナの色は、重ねるほど根元付近に定着していきます。最初の3回で根元に土台を作ることで、その後の仕上がりが安定しやすくなります。
サロン施術で週1ペースは現実的でないことが多い。そういう場合は、自宅でのDIYが向いています。ヘナはアルカリカラーと違い、自宅で気軽に使える素材です。置きすぎてダメージが深刻になることがないので、ながらでできます。

ヘナショックについて
ヘナを初めて使ったとき、髪が硬く感じることがあります。ヘナの収斂作用によるもので、最近「ヘナショック」と呼ばれるようになってきました。
この硬さを「ヘナは手触りを損ねる」と感じて、やめてしまう方がいます。知らなければ、そう思うのは当然です。
対処方法があります。ヴィーガンクリームヘアークレンジングを、ヘナを流したあとに少量なじませて流す。それだけで、収斂による硬さが和らぎます。
このアイテムはもともと、ヘナを始めたばかりの方の移行期を想定して作られた製品です。癖毛、広がりやすい髪、もともと硬い髪の方に特に向いています。
パッチテストについて
ヘナはアレルギーが起きる可能性がある素材です。初めて使う前には、必ずパッチテストを行ってください。
皮膚の弱い部分に少量を塗り、24〜48時間様子を見ます。異常がなければ使用可能です。過去にヘナや植物系の素材でアレルギーが出たことがある方は、使用前に医師に相談することをすすめます。
移行期は、一人で抱えなくていい
移行期は、髪の状態が変化する時期です。うまくいかないと感じても、多くの場合は過程の一部です。
ただ、判断が難しい場面は必ず出てきます。そういうときは、取扱店に相談してください。移行期をどう進めるかは、髪を直接見ながら話す方が、ずっと確実です。
土台ができれば、その後の維持はずっとシンプルになります。自分に合うペースと選び方は、次の記事で整理します。